京都を中心に活動する新進の若手作家を紹介する展覧会、Kyoto Art for Tomorrow 2019 - 京都府新鋭選抜展 が開催され、ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川国際交流賞が授与されました。

今年も審査員として、館長とレジデントたちがチームとなり、45作品の中から、ヴィラ鴨川賞の一作品を選びます。絵画が最も多く出品されていましたが、彫刻や、映像インスタレーション、パフォーマンスの要素を持った作品もありました。社会的・政治的な視点を持った作品は、あまりありませんでした。

京都文化博物館の2階が会場となっていました。最初の展示室は、絵画が中心で、写真や彫刻の作品も展示されています。残る二つの展示室に、立体作品やビデオインスタレーションがありました。


一つの作品を選ぶのに難航していたところ、最後の展示室に、満場一致でヴィラ鴨川賞に相応しいと思う作品がありました。井上裕加里さんの「marginal woman ―境界人―」です。日本と東アジア地域の非常に重要なテーマを扱った映像作品です。日本と韓国の老女たちが自らの人生を振り返って語る姿が映し出され、人間の営みのはかなさとその普遍性が、美しい海などの自然の映像に投影されてます。戦争、歴史、女性の社会的地位について考えさせられます。


この作品のテーマや、様々なレイヤーの社会問題を提起する多層性、技術の高さが、評価されました。まだ他の審査員によって別の賞に選ばれていないことが不思議でした。 "京都府新鋭選抜展 / Das Preisfindungsteam der Villa..." vollständig lesen »