
12月のCreators@Kamogawaは、レーナ・ヴィリケンス & ザラ・チェスニーのプロジェクト「Phantom Kino Ballett」の紹介で始まりました。日本のゲストには、二人の友人でもある、音楽家の呉山夕子氏と、音楽プロデューサーの江村幸紀氏を迎えました。司会はアートジャーナリストの小崎哲哉氏です。

この4人のクリエイターには共通点があります。「DIY」の表現手法で作品をつくり出し、それにより新たな可能性が生まれます。こうして、ポピュラーカルチャー(大衆文化)とハイカルチャー(“高尚”文化)の区別はなくなり、様々な表現方法は同等に扱われるようになります。進歩するテクノロジーを用いるなかで生じる「偶然」は、「失敗」ではなく、創造のプロセスとして許容されます。

第2部では、舞台美術家・舞台衣裳家のミヒャエル・グレースナーが、木炭のかけらが入ったコーラの缶を用いた、ちょっとしたパフォーマンスを披露しました。このコーラの缶は、彼の映像コラージュ「Patschinko Slot」でも、くり返し登場します。グレースナーはまた、(通常の)劇場以外の場所も、自身の活動に取り入れたいと考えています。演劇が公共空間に出て行くことで、観客は単に受身で楽しむだけでなく、様々な問題についてアクティブに考え、参加することができます。

グレースナーや、ゲストの高嶺格氏(美術家・演出家)は、その活動において、移民や難民危機、脱原発など、社会・政治的な問題を提起することが重要と考えています。


トークの後は、カフェ・ミュラーでビールやジュースを片手に交流が続きました。また、ザラ・チェスニーが、ライブ・パフォーマンス「Phantom Kino Ballett」のために制作した衣装も紹介されました。


この日、ミヒャエル・グレースナーは、ヴィラ鴨川のアパートメントに作品展示を用意しました。小道具や写真、立体作品のほか、3ヶ月のヴィラ鴨川滞在中に集め、プロジェクト「Patschinko Slot」に用いた珍しい品々が紹介されました。プロジェクトの参加者やゲストとともに、京都での3ヵ月を振り返りました。


