今回は、街の人たちの印象についてです。
研修中は、ゲーテの先生や職員の方々にくわえ、多くの街の人たちのお世話になりました。地元の方々と受講生との間の距離がとても近いことがシュヴェービッシュ・ハルの魅力です。
授業で配られた教材のひとつに、「ドイツ在住の外国人がドイツ人に抱いた印象」というものがありました。「愛想がない」「接客態度が悪い」「失礼」「無配慮」などなど、なぜかよくない印象しか事例に挙がっていなかったのですが、シュヴェービッシュ・ハルにいた私の印象は全く正反対です。
いくつかご紹介しましょう。こちらに着いて初めてゲーテに向かった際、年配の男性が重いトランクを抱えている私を見て、「道は分かるか? 運ぶのを手伝ってあげよう」と言って、荷物を持ってくれた上に、ゲーテまで連れて行ってくれました。ゲーテの先生にうかがったところでは、この男性は初めてゲーテへ向かう学生を見つけるたびに、連れてきてくれるのだそうです。
お店でも丁寧な対応がほとんどです。郵便局では国際小包の出し方を、こちらが尋ねる前から丁寧に説明してくれたり、スーパーで商品の場所を尋ねると、わざわざその場所まで連れて行ってくれました。店員の対応が、単にビジネスライクではなく、人間同士の関係として感じられることに好印象を持ちました。
「お互いに顔の見える街」というとちょっと閉鎖的な雰囲気をイメージするかもしれませんが、この街で出会った人びとは、ドイツの外の世界に大きな関心をもっています。あるドイツ人のご家庭に招待されたときには、そこにおられたドイツ人の皆さんが、ゲーテの学生の生の声を聞こうということで、ドイツと他国との違いについて、私たち学生にいろんな面から質問されました。どれほどうまく伝えることができたか心もとないのですが、こうした交流は、現地の人たちと共に異文化を学ぶ貴重な機会となりました。
シュヴェービッシュ・ハルでは、ゲーテの存在が地元としっかり結びついているのです。街をあげて、学生のドイツ語学習をサポートしようという雰囲気が感じられます。


